「北風と太陽」と「良薬口に苦し」

美功

いつも「太陽」みたいな人が、どうしたことか「北風」のような態度をした時とか
いつも「甘いお菓子」をくれる人が、珍しく「苦い物」をくれたら?

「北風と太陽」は「イソップ寓話」の中のお話。
「冷たい風のようなきびしい態度でいるよりも暖かいおだやかな光のほうが効果がある」そんな対比をあらわしています。

子どもの頃からなれ親しんだお話しです。
誰もが「なるほど」とわかることだと思います。
しかし、実際の行動でそれができているかというと私はできてなかったのです。

かつての職場での自分は、 仕事に熱心に打ち込んでいたのは確かですが、そうではないほかの人とは打ち解けられずにいたからです。
途中で自分の態度が「北風と太陽」の北風なのだと気付いてから、できるだけ笑顔でやさしい言葉で話しをするようにしました。
すると少しずつですが、職場の雰囲気も変わっていきました。

「北風と太陽」の話しをを知らない人のほうが少ないと思いますが、
まさか自分が「北風」になってると思っている人も少ないでしょう。

良い話や他人を褒めることは滅多にしないのに、話せば愚痴や悪口と言う人は自然体で「北風」になってるんですね。
口から「北風」を吹くような、そんな事をしていたら、自然と人は寄り付かなくなると誰にでもわかってるはずなのに
他人が離れていくことを不思議に思う人がいる。
自分の口からそうした災いが出ていることが”普通”になってるから気付けないんだと思います。

他人への態度は「太陽」でいたほうが、幸せになれると私は思います。
しかし逆に自分に対しては「北風」でいたほうが良いのです。

「良薬口に苦し」よくきく薬は苦くて飲みにくい。人からの注意、忠告は聞くのがつらいが、自分のためになる。
この言葉もよく知られていると思います。

本当のことを言われると、辛くて頭にくることが多いので、自分の意に添わないことを言う人を遠ざけようとすることもあるでしょう。
自分に嬉しく、都合のいい言葉ばかりをいってくれる人が回りにいたらとても気分がいいかもしれませんが、それが真実そう思っていなかったとしたら、危険ですね。

他人からの良薬が受け取れないのも残念ですが、せめて自分には「北風」でいたほうがいいでしょうね。
早い話が謙虚でいることなのでしょうけど。それも自分の事を客観視できないとなかなか難しいところです。

自分がいいな、素敵だなと思える人をお手本にしたらとも思いますが
そもそも自分自身に見る目がなければ「良い」「素敵」もズレているかもしれないですしね。
とりあえず周囲の人の反射を受け止めていくしか、その判断方法は成長しないかもしれませんね。

いつも「太陽」みたいな人が、どうしたことか「北風」のような態度をした時とか
いつも「甘いお菓子」をくれる人が珍しく「苦い物」をくれたら、それが考え時ということかもしれません。

 

2012年4月24日11:30